【企業研究】 FPTジャパン株式会社 FPT Japan Co., Ltd.

FPTジャパン株式会社 FPT Japan Co., Ltd. 

この会社について

未公開企業で一般には情報入手が難しいため、やや詳しく調べてみました。

FPTジャパンはベトナムNo.1のICT企業FPTコーポレーションを母体とする日本法人です。この会社の第一の特徴は、年間平均成長率が30%を超える成長企業ということです。またこの会社の第二の特徴は、キャリアパスや福利厚生が充実した会社ということです。

FTPジャパンの母体となるFPTコーポレーションは、売上1,236百万USドル(日本円で1,100億円以上、1USドル=91.12円以下同様)、社員数13,000人というベトナムNo1.のICT企業です(2011年度)。FPTコーポレーションはソフトウェア開発・通信キャリアから大学・銀行まで、幅広い事業分野を持つコングロマリットです。

FPTコーポレーションのソフトウェア開発会社がFPTソフトウェアです。FPTソフトウェアは売上81.8百万USドル(75億円)、社員数4,000人です(2012年度)。FPTソフトウェアの7年間の年間平均成長率は売上が39%、社員数が24%です。売上の伸びが社員の伸びの1.7倍になっているように、事業の生産性がこの間に高まっていることを表しています。

地域別の売上では日本が54%と断然多く、FPTソフトウェアの売上の半分以上は日本であげています。FPTソフトウェアの日本法人がFPTジャパンです。FPTジャパンは売上25億円、日本在住の社員数130人です(2012年度)。FPTジャパンの顧客は日本の大手企業・有名企業が多く、それが売上に結び付いています。ちなみに日本の情報通信系(ソフトウェア開発)上場企業46社平均の社員1人あたりの年商は17百万円ですが、FPTジャパンは19百万円になっています(出所:各社の最新の有価証券報告書を基にオリジネーター計算)。 

社内教育

社内教育の内容はソフトウェア受託開発事業の会社の実力を左右します。

ブリッジSE向けの新卒教育プログラムを見ると、ベトナム各支社での研修が用意されていて、社員は日本の給与をもらいながらこれに参加できます。

これには開発言語や開発方法論といった技術教育に加えて、ビジネスマナーやプレゼンテーションスキルを学ぶ集合研修や、実際のプロジェクトに参加するOJTがあります。

なお営業担当に関しては営業経験が必要で、学部既卒者となっています。営業担当に関してはキャリアが求められています。

スキルアップ・キャリアアップ・昇進

社内考課制度は実力制で、ソフトウェア開発や営業活動で社員にチャレンジの機会が与えられ、本人の実力次第では1~2年で昇進、20代で部長職に就く社員も多いとのことです。

FPTジャパンの顧客を見ると日本の大手企業・有名企業との協業の機会が多いので、先端技術の実装の習得だけでなく、しっかりした日本流の仕事の仕方を学ぶことができて、価値あるスキルアップ&キャリアアップができると考えます。

また将来ベトナム出身者が帰国する場合も、帰国後にFPTソフトウェアで勤務することも可能で、重要なポジションに就く社員も多いとのことです。

福利厚生

諸手当の支給や福利厚生の充実には特筆すべきものがあって、日本の同規模のICT企業を上回るかもしれません。

社会保険(厚生年金保険、健康保険、労災保険)や雇用保険の付保は当然です。

基本給のほかの手当として、通勤手当・住宅手当・家族手当・役職手当などがあります。昇給は年一度、ブリッジSEには年2回賞与が支給され、営業担当は成果報酬制度になっています。頑張れば自分に戻ってくるストックオプション(自社株買収権利付与)もあります。

休日は、完全週休2日制で年次有給休暇のほか祝日、お盆休み、年末年始休暇にベトナム旧正月休み、創立記念日のお休みなど。

そのほかに年一回、ベトナム出身者にはベトナムの家族を訪問するための往復航空券制度や社員旅行もあります。

会社の文化

若くて、活発で、ユーモアのある独自の会社の文化を持っています。

サッカー・ゴルフ・バドミントンといった体育会系クラブ活動、お弁当作り・日本語・撮影などの文化系クラブ活動があります。

フットサルの大会・スキー旅行・登山・ボーリングや、創立記念日・お花見・花火大会・忘年会/新年会といった定期的な行事やイベントの活動もあります。

また特別な日として、両親の日(社員の両親を会社に招待するイベント。両親は子息がFPTに勤めていることが誇りに思える)・男性/女性の日(男性社員/女性社員がハッピーになる日)・子どもの日(社員の子どものためのイベント)などがあります。

また社員の間で情報を共有するためのNewsletterや新聞もあります。

この会社の強み

この会社の強みは、ベトナムの企業であっても社員全員が日本語を話すことができます。

大学(FPT大学)の運営により日本語ができるエンジニアを養成し、現地ベトナムのオフショアに4,000人のエンジニアを抱えています。

経済成長の一方で中国やインドのソフトウェアの海外アウトソーシング事業者が日本で競争力を失くしている中で、優秀で低コストのエンジニアを潤沢に持つこの会社は、日本でのシェアを今後も拡大し続けることでしょう。

また単にエンジニアのコストだけでなく、ベトナム出身者の持つ自己研鑽の資質や、細かい仕事をこなす器用さ、時間をかけてひとつのことに打ち込む粘り強さ、責任感・納期厳守の姿勢は、ソフトウェア開発に高い適性があります。

求める人材

年間平均30%を超える成長率を支えるため、FPTジャパンは旺盛な人員採用が必要になっています。現在FPTジャパンの社員の内訳はブリッジSE98人、営業15人、サポート17人ですが、今年度はブリッジSE25人、営業5人の採用予定となっています。 

上記の採用においては日本語とベトナム語、または日本語と英語が堪能な人間が求められています。顧客からの要件定義のヒアリングや、顧客との商談が業務になりますので、日本語による高いコミュニケーション・レベルが求められます。

ブリッジSEの業務内容は次の通り。

・日本の顧客から要望事項をヒアリングする
・プロジェクトに必要な資源を理解する
・内容をベトナムのプロジェクトチームに伝える
・プロジェクトの進捗管理をする
・オンサイトチームの管理をする
・品質管理をする

ブリッジSEの募集要件は次の通り。

・理系大卒以上
・日本語能力試験(JLPT)N2以上、あるいは相当
・プログラミングスキルがある人(C言語系、Java等)
・基本設計ができる人は優遇
・スマホ関連開発経験のある人は優遇
・英語ができる人はさらに優遇 
・募集人数は25人
・想定年収は340万円~600万円 

営業担当の業務内容は次の通り。

・ソフトウェア開発の提案営業をする
・売上の企画提案とその展開をする
・顧客と商談をする
・顧客の新規開拓をする
・東京か大阪に勤務をする

営業担当の募集要件は次の通り。

・大卒以上
・日本語能力試験(JLPT)N1以上、あるいは相当
・営業経験があること
・IT業界での営業経験があれば優遇
・募集人数は5人
・想定年収は300万円~1000万円 

まとめ

FPTジャパンは、成長するベトナムを象徴するような成長企業で、母体のFPTコーポレーションはICT事業者でNo.1、ベトナム有数の大企業です。ベトナム出身者はもとより、成長するベトナム市場でのFPTコーポレーションに関わるビジネスに興味がある人にとって魅力ある企業だと思います。

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(注意: 本文書は作成時の正確さにつき十分配慮して作成されていますが、将来における正確さを保証するものではありません) 


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